『トニオ・クレーゲル』

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読書日記

2020年07月14日

 『トニオ・クレーゲル』 トーマス・マン 新潮文庫 520円+税

『ヴェニスに死す』と一緒に収められている。トーマス・マンの短編。短編だからと言って一気に読み終える訳にはいかない。ヴェニスに死す同様、文学作家を主人公にした著で芸術論を展開していく。この『トニオ・グレーテル』では、北国の代々続く厳格で裕福な官吏兼商家の生まれのトニオが南国育ちの母方の自由奔放な血筋を観ながら誌作の天分を幼い頃から発揮し、長じても文士として成功していくのだが、魅かれる愛や美の陶酔と一方良心や思想、倫理との対立観念といった芸術家の本質に関わる問題を呈している。
暫く南国のイタリアやミュンヘンにいるが、故郷の北国に旅すると実家は没落し壮大だった家は公立図書館になり一部は何世帯かの住居と化していた。、

 

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