『フォールアウト』

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読書日記

2018年02月10日

『フォールアウト』 サラ・バレツキー ハヤカワ文庫 1300円+税

V.I.ウォーショースキー シリーズの最新刊。18作目
このシリーズは日本語訳されたものは全て読んでいるが、最近我はついていくのがしんどい。
1982年第一作『サマータイム・ブルース』 で出現してから彼女の方はあまり歳とらない。女性版ハードボイルドで、当時の日本のキャリアウーマンたちに大いに活力を与えくれた。 こちとらは既に現役を終えているから。
題名が原作そのままなのも珍しい。フォールアウトとは放射性降下物のことのようだが判然としない。訳者もだからそのままにしたのか。
シカゴの探偵だが、カンザス州のローレンスという町に出向いての活躍。著者自身の故郷でもあり卒業した大学を舞台にしている。おしゃれなヴィくは大好きなブルーノ・マリの赤いパンプスを用意して、『オズの魔法使い』も絡める。
遠い昔の人種差別、ミサイル基地、生物兵器開発、冷戦の生き残り、男女の愛憎などなど、広大な農業地帯のアメリカの一部で、あたかもアメリカの縮図のように描かれている。
著者が次作でトランプ体制を取り上げるか否か、大いに関心がある。

 

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