『橋をかける』

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読書日記

2014年12月24日

昨日、12月23日は天皇誕生日だった。81歳になられた。
皇后美智子様は10月20日のお生まれ。80歳であられる。
そのため、近頃皇室関連のテレビの特別番組や新聞記事が多くあり、それで知り、皇后美智子さまのご著書を拝読する機会に恵まれた。

『橋をかける』 美智子 文春文庫 933円+税

皇后美智子さまが、世界の子供たちの希望と平和のために語られたお言葉である。
たってのご要望でただ「美智子」という著名にされた。
1998年9月、IBBY(国際児童図書評議会)の世界大会がインド・ニューデリーで開催された。その基調講演を現地でされる予定であったが、インドはその年の5月に核実験をおこなったため、皇后はようやく可能になりつつあった訪印を取りやめにされ、責任感のお強い皇后はご思案の末、ビデオで講演を送ることとされた。
そのビデオの元原稿をそのまままとめたものがこの本に掲載されている。
そして、2002年9月末、スイス・バーゼルで開かれたIBBY50周年記念大会で挨拶された原稿の原文も載せられている。
お小さい頃、疎開という環境の中で、父上が運んでくださった数冊の読書を通して、おぼろげながらに自分のよりどころを知り得、世界に視野を広げ、幸せの中に悲しみもあるということを思われたと、話されている。
「読書は私に、悲しみや喜びにつき、思い巡らす機会を与えてくれました」と。
平易に、ご自身幼い頃の読書の思い出を語りながら、私たちの生きてきた時代を顧み、子供たちに将来の希望と平和を祈る−。
双方とも英語で語られるのだが、その英語の美しさ静かさは、世界中に感動を与えたそうである。
日本でも、何かのテレビ番組で放映され、その飾り気のまったくないお優しい静かな透き通るようないいお声の英語を聞いた記憶がある。皇后の話される日本語とまったく同じだった。

ビデオ撮りやお付きの旅に携わった人びとの見た皇后美智子様のいわばエピソードも綴られている。
このかたが、日本の皇后であられることの有り難さがひしひしと伝わってくる。
   

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