『ポアロとグリーンショアの阿房宮』

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読書日記

2015年03月01日

『ポアロとグリーンショアの阿房宮』 アガサ・クリスティー ハヤカワ文庫 600円+税

この作品は作者クリスティーの死後40年近く経った2014年に、初めて一冊の本としてイギリスで刊行された珍しい本である。
似たような始りかたをする作品に『死者のあやまち』というのがあるそうだ。これは私は確かテレビドラマで見た。
同じようなストーリー展開で、ポアロものだったりマープルものだったりして、作者はちと読者をバカにしてやしまいかと思ったこともある。
が、どうも編集者の意向だったり、印税を地域の教会に寄付する都合だったりで、一つのプロットで何作も書いてみたりと、いろいろと事情があったのが、この本に併載されている関係者や研究家の記述で分かった。

本題のストーリーは、クリスティーが亡くなるまで夏を過ごしたグリーンウェイという屋敷が舞台。ここは、現在ナショナル・トラストが管理していて誰でも訪ねることができる。
この広大な屋敷で、お祭りの余興として殺人事件を起こしその犯人を捜すという企画が持たれる。ポアロも招待されていた。と、当日本当に殺人事件が起き、行方不明者が出る。
犯人不明のまま2ヶ月が過ぎて、ポアロが見事に謎を解き明かすという次第。

私はこの南イングランドに旅したいと常々希望しているのだがいまだ果たせずにいる。
 

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