『海賊とよばれた男 下』

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読書日記

2013年03月08日

『海賊とよばれた男 下』 百田尚樹 講談社 1600円+税

たいへん面白く読んでいて、会う人ごとに薦めている。
みなさん出光佐三のことは知っているらしい。でもメモをとって読んでみると言う。知っていなかったのは私ばかりか。迂闊だった。まだまだ知らないことがたくさんあろう。だから読書は好きだ。新しい感激の世界が広まっていく。
東京丸の内の出光美術館にも行ってみた。
幼い頃父親にねだって買ってもらった仙崖の月を指さす布袋様のふくよかな絵から始まった美術品収集も、古代中東美術をはじめ膨大になったのだね。

下巻は、敗戦から、昭和56年95歳で国岡鐵造が生涯を閉じるところまでで終わる。
GHQとの闘い、石連との闘い、政府との闘いなどなど、一国の生命線である石油という資源、輸入にのみ頼る生命線の石油を通して、日本の明治以降の歴史を垣間見た気がした。
オイルショック後、省エネルギーで立ち直った日本を見ながら、最期になって鐵造は、果たして石油を躍起になって日本に輸入してきたことが良かったのか否か思いを巡らすことがあるが、読者も考えさせられる。エネルギーに頼らず人間としての自力で暮らしをしていかなければ…。 

 

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