『マリー・アントワネット』

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読書日記

2011年12月23日

 『マリー・アントワネット』 シュテファン・ツワイク 岩波文庫 上下共550円

今日は、今上天皇の誕生日78歳におなり。
昨夜来、天皇皇后両陛下の被災地慰問の旅やお心寄せをマスコミで特集している。
特に美智子皇后さまの床に跪いての、お心配りお心寄せ、被災民とのお心お言葉のやり取りには、深く心打たれ、これを有り難いと言うのだろうと感涙する。

それに引き替え、較べてはなんだが、暫く前に再読し終えた『マリー・アントワネット』は、読んでいて、愚かなマリー・アントワネットの振る舞いに、初めは興味本位で読んでいたが、その内に腹立たしくなってきた。
生家の母ウィーンのハプスプルグ家のマリア・テレジアの再三の手紙による叱責もどこ吹く風と軽くいなしている気性の薄さに悲しみすら覚える。
自分の立場役割に無関心で、ヴェルサィユ宮廷とパリの夜会の狭い取り巻き世界にしか関心が及ばず、読書や勉学は全くせず、浮薄な流行の最先端であることに趣きを注いだ。莫大な国費を費やして。
当然、社会の動勢にはまったく無知。
生まれながらにただ平凡な人のいい娘が、不幸な政略結婚で王妃に就いた故の悲劇か。

フランス革命の暴走振りは、革命とはいずこも暴徒化してやまぬ事とは言え、歴史の転換には致し方ないのかなと考えた。

著者は著名な伝記作家。
1881年ウィーンのユダヤ系富裕な家庭に生まれた。
平和主義者のツワイクは、それでも優しくマリー・アントワネットを描こうとしている。
ヒットラーが政権掌握後、ロンドンに亡命、さらにニューヨーク経由で南米ブラジルまで落ち延びるも、終戦を待たずに自殺した。
彼も生まれと歴史に翻弄された一人だ。

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