『ダロウェイ夫人』

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読書日記

2016年09月01日

『ダロウェイ夫人』 ヴァージニア・ウルフ 集英社1800円+税 

98年11月20日プレスセンター丸善店で購入。レシートが挟まっている。18年も前の事だ。勤務の昼休みに買ったようだ。12:30とある。
懐かしい。早速読んで美しい本だと思ったことを記憶している。
久々に読み返した。
著者は精神を病んでいながら執筆活動を続け、1941年に59歳で入水自殺している。美しい女性だったようだ。
作中に、第一次大戦に従軍して帰国後精神に異常をきたした青年が登場するが、彼女の精神のありようを記しているのだろう。興味深い。ダロウェイ夫人自体は総理大臣までも招く晩さん会を主催し、貴族社会に浸かっている、いろいろと思い悩む女性として描かれている。
幼い頃の友だちがそれそれの道を歩み、この晩さん会に何年振りかで遭遇する、その追憶、老いた今、そしてその晩さん会の花を自ら買いに朝のロンドンの街を歩き、6月の美しいロンドンの朝の街を他の人々の描写を含めて、その1日の物語である。
インドの話が、植民地の話がよく出てくる。大英帝国が終焉を迎える世相が滲み出ている。
1925年出版。27年に『灯台へ』を出版している。
余韻にうっとりするも、生きているとは何だろうと考えさせられるいい本である。

 

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