『南方郵便機』

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読書日記

2017年08月24日

『南方郵便機』 サン・テグジュペリ 新潮文庫 552円+税 (『夜間飛行』に併録)

サン・テグジュペリ初めての作品。『夜間飛行』の2年前に書いた。
ツールーズからカサブランカを経て、サハラ砂漠を飛び、ダカール。そして南米のナタルへ。
私は先のモロッコの旅で、以前に読んだこの小説を思い出しながら、サハラ砂漠などをかすめたものだった。
不帰順領土のサハラ砂漠。航路を迷い不時着でもすれば残忍な賊軍に狙撃される。そんなサハラにもフランスの小屯所がある。老軍曹一人でセネガル20 人を擁している。
一人の操縦士の、子供時代の回顧、恋愛、友情などを深く描く。著者は過酷で強靭な精神を要する飛行路開拓時の操縦士精神のあり方と同時に恋愛のこころを基調に置いている。
著者同様に、この主人公も追撃され撃ち落される。著者はこうした職業を常に死を覚悟して臨んでいたのか。
生きるということを深く考えさせられる。

 

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