『日本文化史研究』

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読書日記

2019年11月14日

『日本文化史研究』 内藤虎次郎 平凡社「世界教養全集17」の中 350円

先に読んだ『蘭学事始』と同じ一冊に収まっている。
内藤は東洋史学者。秋田県角館の生まれ、東京に出ていわば独学で雑誌編集、大阪朝日新聞社に勤めたりで論壇に活躍した。後に京都大学で東洋史学の教授となる。
この本は彼の日本文化に関する講演筆記、新聞雑誌への寄稿を集めた文集である。
この度の126代天皇への代替わりにあたって、日本文化に思いを致すいい読書となった
支那文化のアジア諸方への波及、その中における日本の支那文化の吸収、日本化の巧みさ、聖徳太子の功績弘法大師の偉業など興味深く読んでいける。ここで先ず彼は日本を支那に納得させる独自の国体を調えた。
次には応仁の乱、つまり足利時代が下克上を実現、つまりそれまでは天皇や貴族が歴史の主であったが、 足軽が跋扈しだし武士を含めた平民の社会になっていく
江戸時代はその平民の社会だ。それが日本独特の文化をこしらえていく。
今日はどうか。内藤がこの本で講演執筆しているのは大正末期から昭和初期。その時代の学会や論壇もその時代をいたく反映している。支那文化圏のアジアおいて日本は特別に優れているのである。明治維新に関しては少ない分析である。
やはり、何といっても天皇と言う存在は表にあったり陰を潜めたりはするが、日本の歴史に一本の柱として存在している

 

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