鬼平犯科帳T

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読書日記

2017年08月14日

『鬼平犯科帳T』 池波正太郎 文春文庫 660円+税 

ケーブルテレビの時代劇専門チャンネルで見るようになり、かなり嵌った。中村吉右衛門、その父松本白おうも渋い品のいい鉄火肌の演技がよかった。
江戸時代の町警察、奉行、などの悪党取り締まりが小説とはいえ面白い。火付盗賊改方のお頭(いわば警視庁長官?)長谷川平蔵、400石取りの旗本である。妾腹の子で母親の顔も知らず、若い頃は本所三つ目に屋敷があり、遊蕩三昧で箸にも棒にも掛からぬ男だった。
それが悪党らから鬼の平蔵と怖がられる存在となったのである。
盗賊らにも掟があって、相手に気付かれず殺さず女を犯さず盗難にあっても困らないようなところに偲び込むという悪党と、少額のためでも女子供まで惨殺するという悪党。
細い通りに問屋、小間物屋、居酒屋、神社や寺などなど、下町情緒溢れて描かれ、大川(隅田川)を渡ればもう農村であったりして、鬼平の鋭い刀裁きと共に江戸の風情を愉しむこともできる。

 

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