『修禅寺物語』

トップ > 日記

読書日記

2014年07月11日

『修禅寺物語』 岡本綺堂 旺文社文庫 160円

先日修善寺への旅をした際、この物語りを思い出して読んだのだった。
『修禅寺物語』は優れた戯曲であり、世界各国語に訳され上演された。
日本では、芝居はもとより映画にもなり人気の出し物だった。
松竹映画でカラーのもの、夜叉王が板東三津五郎、頼家が高橋貞二、桂が淡島千景、楓が岸惠子だった。

修禅寺村に住む面作師夜叉王は、寺に蟄居せられている二代将軍源頼家から自分にうり二つの面を作るよう命じられていた。が幾つ作ってもその面に死相が浮かぶ。納められずにいると死期を悟る頼家が求めに来る。
夜叉王の娘桂がそれに応じて…、と展開する。
頼朝が風呂場で北条氏の手にかかり、娘はその面を付けておとりとなり逃れてくる…。
一幕三場もの。 

この文庫本には、他に同著者の戯曲 、『佐々木高綱』、『小栗栖の長兵衛』、『俳諧師』、『新宿夜話』が収められれている。 

著者の最もポヒュラーの作品に『半七捕物帳』がある。
この作は68編にもなる。もともと洋書や漢書で探偵物を愛読していたようで、大正期に流行ったコナン・ドイルの影響を受けたとみえ、作中で「彼(半七)は江戸時代における隠れたシャーロック・ホームズであった」と書いている。

 

[前の日へのリンク]← 
→[次の日へのリンク]

NewChibaProject