『ブラウン神父の童心』

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読書日記

2014年06月16日

『ブラウン神父の童心』 G.K.チェスタトン 創元推理文庫 660円+税

CATVのAXNミステリーチャンネルで「ブラウン神父」ものを見た。
原作を読んでみたくなった次第。
「ブラウン神父」ものの短篇集である。
イキリスでカソリックの神父をしている。ま、神父と言えばカソリックだが。他は牧師と呼ぶ。この神父、事件が起きると何故かそこにいる。愛嬌のある不細工な小男で、黒い大きな帽子を被り粗末な蝙蝠傘をいつも持参して、ちょこまかとしている。
密室的事件の謎解きを、奇想天外に実は当然な人のこころの深層をあぶりだす。優しい宗教的哲学は流石だ。科学一辺倒主義や異端教義との論争は見事。
成る程、短篇だから当初に書かれているところにひっかかりがあるのだ。無駄な部分はまったくない。ブラウン神父と競ってみたくなり、真剣に読むこととなる。頭の体操的でかなり楽しめる。
世紀のフランス人大悪党を改心させて探偵社をやらせたり、フランス切っての切れ者警視庁長官の罪を暴くなど、結構娯楽的要素をもっている。
1911年に出版されたものだ。ということは第一次大戦前、イギリスとフランスの関係はどうなっていたのかな。 

 

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