『日はまた昇る』

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読書日記

2012年01月30日

『日はまた昇る』 ヘミングウェイ 新潮文庫 130円

先般スペイン旅行をした際、持っていって飛行機の中で読んでいた。
学生時代に、こんな情熱的な大人の女に憧れて読んだ本だ。文庫本で何と130円だった時代。
裏に、'65.10.4 との購入日付けが入っている。懐かしい−。

ナポレオン侵略後、スペインは統一のとれた国ではなかったため、外国の大戦には参加していない。
が、人民戦線波とフランコ将軍率いる軍部との闘い、いわゆるスペイン内戦が1936年に勃発し、ヒットラーの援護を受けたフランコ将軍が勝利し、1977年フランコが死すまで圧政が続いた。
ナチによるスペイン北部の町ゲルニカの空爆は、パリに亡命していたスペインの画家ビカソを怒らせ、彼の絵「ゲルニカ」となった。
作者ヘミングウェイはこれより以前、第一次大戦時に義勇兵としてイタリアで闘い、その後はパリで作家活動を続ける。
彼ら自由を信奉する芸術家たちは、スヘインの内戦を取材し、実戦に加わり、芸術を通して戦った。

『日はまた昇る』は、スペイン内戦が勃発する前の、まだ「ロストジェネレーション」と彼らが呼ばれ、放蕩に哲学的意味をもたせていた頃の、パリを中心に過ごす若い作家や記者たちの実態の一端を描写している。1926年パリで出版されたヘミングウェイの長編処女作である。

英国伯爵夫人の称号をもつ自由奔放なブレットと、彼女を取り巻く男たちのパリやスペインの片田舎での釣り、闘牛士との情熱的な恋のやりとりを乾いたタッチで綴っている。

 

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