『われ思う』

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読書日記

2013年09月15日

今日は東海関東地方に台風接近とあって、朝3時頃から大雨だった。
7時過ぎ頃からは小やみになり、晴れ間もあったり大粒の雨が突然降ったり。
我が住まいのある稲丘小学区地区では、昨日に小学校体育館で敬老の日の催しをすませたので台風模様を避けることが出来て何よりだった。

『われ思う』 西村伊作 文化学院 900円

この8月に行った軽井沢のル・ヴァン美術館で入手した本である。市販はしていない。
西村伊作は文化学院の創設者。明治17年生まれ、大正10年文化学院創立、昭和38年没。
この本は、彼が生前学生への講演用などに広告ちらしの裏などにメモしてあった膨大な走り書きを、息子らが編集した、言わば備忘録、人生語録といったものである。前書きに佐藤春夫が記している。
彼は大正期の文化人とでも言うべき人。建築をし、絵を描き、陶芸をし、学校を作った。我が子を教育したい学校がなかったので、与謝野鉄幹夫妻らの協力で自分で作った。
父親はクリスチャン。見聞が世界人である。そして、当時は春男によれば、「奇人」の如くにおもわれたのも、実は、彼が真に進歩的でまたあまりに大常識人であったためで、彼は日常、真理を追究して習俗には拘泥せす゜、一切の事実に対して独自な見解を述べるに当たって独自な表現をもってするため…、であった。
"日本が負けたらよいと思った。負けたとき、痛快だった。"
などのメモや独自の思考構築がずらりと並ぶ。
若干男尊女卑的発想がうかがえるが、概ね読んでいて成る程と思える。
いつでも見開いて目を通してみたくなる。 

 

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