悦子の談話室

大整理

     
 

住まいを新しくするため古い家を解体するにあたり、所帯道具大げさに言えば人生の大整理をした。
物持ちがいい故捨てられずにため込んだ品々の多い事! 図書、写真のアルバム、衣類、バッグ、靴、寝具などなど多くの生活物資の数々。気づいてみると殆どが不用なものとなっている。
これを機に殆ど処分した。物の整理に哲学や理屈など言っておられない。天袋や押し入れの隅に放り置かれた物など何十年ぶりかの再会である。懐かしいが今更物思いに耽っても始まらない。今までほって置いたのだから。
親が買い揃えてくれた文学全集(お蔭でこれは中学、高校時代に読破)、歴史書などなど、蔵書として置いておいてももう読む気力もないので処分。近しい人から頂いた著書や、また読みそうな本、西部邁やジョルジュ・サンド、バージニア・ウルフ、日本の古典、自著などは残しておくと。4つあった本箱が1つになった。
写真は全て処分。大活躍していた若かりし頃の美しい姿、溌剌としている己をちょっと見ると驚きと共に懐かしくて涙が出そうだが、これも昔を偲んでいてもきりがないので封印した。デジカメを使うようになった10数年前からはこのパソコンにまた大量の写真を保管してあるが。
衣類は、和服は全部処分。現役時代は殆どブランド物だった衣服も今ではサイズが合わずにやはり時代遅れ、で、ここ2、3年着ている物を残して後は処分。買取業者に変に値踏みされ引っ掻き回されるのは好まないので町内のゴミ収集のリサイクル日に出した。
もう使わないゴルフセット入りバッグ2つ、椅子数脚、布団などは、そうそう足踏み式ミシンも、粗大ごみ、食器などは不燃ごみ、バッグ、靴、布製品などなどは可燃ゴミを利用。それぞれ小分けして数回にわたって。
それぞれその度にお神酒を捧げ手を合わせてお礼を言って、勝手に納得して。

木製の家具は解体時に一緒に処理してくれるとのことで、本箱3つ、洋箪笥3竿、茶箪笥4竿、座卓2つ、揺り椅子、籐椅子やテーブルなどなどはそのままにして、深々とお礼をして。

それでも生活は続くので、引っ越し業者に保管を頼んだ所帯道具は3トントラック2台分であった。

ああ、さっぱりした。いわば初めての引っ越しになったわけだが、生活を整理整頓するということはいいことだ。気分も軽やか爽やかになる。何度も引っ越しをする人もいるが、それはそれでいいものなのだな。

(19.08.20)

 
     

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