悦子の談話室

グローバル教育

     
 

ご自分で開発した子供向けのグローバル教育プログラムの話しを聞く機会があった。
名古屋の万博にも出展したそうだ。
25年間ニューヨークに住んでいて、企業のグローバル教育に携わっていた女性。
大人を教育するよりは子供の時からの教育が大切と子供向けプログラムを開発したそうだ。
きっかけは、9.11。
爆破されたビルの直ぐ近くにオフィスがあった。
爆破もたいへんだったが、その後がもっと悲惨だったという。

この教育は先ずグローバル市民として、国籍を背負うことを辞めることからスタート。
さまざまな苦難や楽しみを乗り越えてクローバル市民つまり地球村の市民となるというもの。

これを聞いていた男性がもっともらしく質問した。
よりによって中東などの駐在を長年した優秀な日本人ビジネスマンらしい。
「先ず日本人として日本のことをよく知っていないと世界で通用しない。『国家の品格』という本が600万冊も売れたが、その中にもそう書いてある」と。
黙っていればいいのに、もう一人優秀そうな国際的男性が同じようなことを質問した。

講師の回答は明白だった。
「日本の小学校でこの授業をした。15人ほどで中に3人の外国人の子供がいた。彼らには通訳をつけた。さて、結果楽しかったかとの評価に10点満点をつけたのは件の外国人の子たち。すっごく楽しかったと。日本人の子たちは皆5点だった。どっちつかず」
「世界ではじまっているグローバルリゼーションはまったなし。先ず日本のことを知って、日本人としての固定観念を植え付けてなどとやっていると、この小学生のような結果になる。先ず立派な地球人になって、その地球村から日本を見て知っていかないと
世界に通用する市民にはなれない」

モデレーターの解説も的を射たものだった。
「日本のビジネスマンが海外進出で壁に突き当たるのもそのへんが理由ですね。世界がみえていない。日本という名札を首にかけてうろちょろしちゃう」

これは、大きな広いグローバルな世界のことだけでなく、小さな世界でも身の回りのことでも同じことがいえそうだ。
自分という固い殻がしっかりあるひとは、しっかりしている反面、他への配慮が足りず押しつけがましく、狭い世間の中で偉そうにしている、はた迷惑な"井の中の蛙"かな。

(08.07.21)

 
     

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