悦子の談話室

お礼の言葉

     
 

暮れに近所の奥さんが亡くなった。
生前たいへんにお世話になった方だった。お世話になったというか、兎に角暖かく人懐っこくそれでいてしつこくなく、町内の人々はみんな等しく親しんでお世話になったのだった。表にはほとんど名を出さずに。
昨晩秋ある町内会の会でお会いした時、検査入院するけどまた会には出てくるからとの事だった。
早くにご主人を亡くして女手一つで子供たちを育て上げた。
今年になって松が明けてから家族葬を営まれた。でも、土日は家族が家にいますからどうぞ寄ってくださいとの回覧板が回った。
昨朝伺った。まだまだ若い。79歳。すい臓がん。襁褓を嫌がり、薬もいいと言っていたとか。生前同様に穏やかないい笑顔があった。
ご家族から頂いた「お礼の言葉」読んで目頭が熱くなった。
" 母の子に産まれて幸せでした" とあった。お母さんへの愛と感謝がしみじみと記されていた。お母さんをよく見ていたのだ。私が外から見ていたのと同じ思いが淡々と記されていた。素晴らしいお母さん、そして素晴らしいお子達だ。
お母さんの面影を継いでいる娘さん息子さんの穏やかな優しい顔が弔問客を見送ってくれた。
合掌

(17.01.15)

 
     

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