悦子の談話室

オリヒメ

     
 

過日、三木会という異業種交流会でとても素晴らしい卓話を聞いた。
講師は吉藤健太朗氏、(株)オリィ研究所代表、28歳
幼いころからの病弱で殆ど学校は出ていない。高専中退、早稲田に招かれるも中退。幼い頃から病床に伏し天井を見るだけでは詰まらず、折り紙に興味を示す。現在ある折り紙の会会長。卓話中にも無造作に白い紙をいじり始めてあっという間に見事な白薔薇を造り上げた。
この不登校と折り紙が彼の現在の基盤にある。
難病、特に移動不可能な程の重傷の人々への思いは切ないほどに深い。そして特に孤独感をいたわる。そして折り紙で物造りの特技を発揮していく。折り紙の技が無ければ、宇宙開発での基本の太陽電池パネルの折りたたみは不可能であるとの話しを聞いたことを思い出した。折り紙は奥が深い
卓上に可愛い「オリヒメ」を乗せた。上半身の小型のかわいいロボットである。
オリヒメは、カメラ、マイク、スピーカーを搭載していて、遠隔の病室にいる利用者がインターネットを介して首や手を動かしたり、声を出したりなどの操作をすると、それをオリヒメが受けて置かれた場所で分身として人々とコミュニケーションをとる。
この時のオリヒメは、遠方で寝たきりの22歳の男性と繋がっていて、彼がパイロット。彼の操作で分身として会場とコミュニケートした。彼は確か顎の動きだけで操作していた。孤独感の解消、人との繋がりに一役買っている。可愛いロポットだ。
卓話の後、オリヒメの側に寄っていったら、とても小さい。高さ20cm位か、簡単に持ち運べる。離れて見ていたときには大きく感じたが。
昨年7月からレンタルを開始し、100件の目標は達成したそうだ。

隣の席に座っていた知人のナターシャ・スタルヒンさんが、ご多聞にもれず知り合いに引きこもりがいるがこういう人の話しが聞ければいいのになー、とつぶやいた。ご存じナターシャさんは往年の名ピッチャーのご長女だ。

(16.08.01)

 
     

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