悦子の談話室

遠のく9.11の記憶

     
 

過日の関東地方豪雨洪水は大被害をもたらした。
その実況報道は余りの恐ろしさに見ていられなかった。4年前2011年3月11日の東日本大地震の大津波被害を嫌が上にも思い出させられた。
見ていられないので、テレビを他チャンネルに切り替えたら、今度はニューヨークの9.11事件、つまり2001年9月11日に起こったマンハッタンの超高層ビル貿易センタービル飛行機突入テロの実況放映をやっていた。これはその時に、市民が携帯やスマホで撮影した物も含まれていて、それはそれは恐ろしくこれも途中で見るのを止めた。1回目の飛行機突入後、パラパラと人が落ちてきたり、2回目突入の後は地上に家具や瓦礫、紙などが飛び散りながら落ちてくる。逃げ惑う人々…。
そう、この9.11テロ事件が放映されていたのは確か12日だった。11日は、私はある審議会出席のため霞ヶ関に行っていたのだから。そこでの会議前の委員たちの会話はもっぱら洪水の大惨事に及んだのだった。

14年も経つとあの想像を絶する人類の大惨事も記憶の奥へとしまわれてしまうのか。あるいはその後の相次ぐ大惨事に追いかけられてしまっているのか。
現在、中東地域からヨーロッパへと大量の、これも想像を遙かに超えた人数の移民・難民が移動している。これは9.11に対する元ブッシュ政権のイスラム過激派報復に端を発しているとも見られる。
歴史として昔の民族大移動は学んだが、現代にもこうして起こるのだ。

そうした中で、日本は今、国勢調査が実施されている。
これは奇跡に近い。日本国の人口の10.01における実情調査である。大災害にあっても何とか復興していける。
元々戸籍などない国もあろう。戸籍があってもそれは危うく、自国から逃れざるを得ない人々が実に多いのが世界の現状だ。
これ程までに厳密に国勢を把握できる国は、世界でもそうはない。

(15.09.14)

 
     

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