悦子の談話室

若旦那の死

     
 

九十九里から雨の合間に帰ってきた。
小休止していると、回覧板を持ってお隣さんが来た。不審げな顔で。
訃報だ。元町内会長さんのお宅。享年56歳となっている。「会長さんじゃないですよね、こんな歳では…」「息子さんのほうですね」と私。
元会長さんは夫妻揃って痴呆症に罹っているが元気だ。同居している息子さんから、両親を介護しているたいへんさを聞いていた。その息子さんだ。数ヶ月前から病院通いをしていたらしい。リンパ腫だとか。
息子さんも親譲りか、地域の青年会の会長などして溌剌としていたが、私の知り合い始めた時には既に発病していたのか、気がつかなかった。
残された奥さんはたいへんだ。両親は息子の死んだことを知らされてないらしい。分からないだろうからと。回覧板もこっそりと回してくれとの事。
葬儀には出席するつもりでいるが、何と声をかけていいものやら。
たいへんな高齢化社会になっている。   

  合掌

(16.08.20)

 
     

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