英国の旅

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2日目

 

ハワースそして湖水地方へ

8時出発。
まだ暗い。夜が明けていない。


マンチェスターのホテル前。午前7時。通勤のラッシュは始まっている。

 ハワースは、マンチェスターから北へ70km バスで1時間45分。
 のはずが、珍しく田舎の事故渋滞で1時間遅れて到着。

<ハワース>

 ハワースは小説家ブロンテ三姉妹の生まれ育った町。

ブロンテ博物館


父親が牧師をしていた教会。


中ではクリスマス・ミサ劇の練習がおこなわれていた。

その横を通って後ろの生家へ。
教会の牧師館である。

 ブロンテ姉妹の生家で住んだ家。
 小柄な人たちだったようで、とても小さく質素な家。



エミリー・ブロンテの『嵐が丘』、といいシャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』といい、暗い小説である。もう一人の妹アン・ブロンテは『アグネス・グレイ』という小説を書いている。
この辺りはヒースばかりが生える不毛の地。若かりし頃、『嵐が丘』の主人公ヒースクリフに魅せられて、是非この荒野を見てみたいとかねがね願っていたものだった。
ところが、バスで通過中は濃い霧がたちこめた。五里霧中。何も見えなかった!

産業革命で綿織物工業地帯となったマンチェスターからの煤煙で、平均寿命は26歳といわれた地。
若き女流小説家が自分の体験から描く物語りも、過酷なものとなったのも頷ける。
そして、当時は女性が本を書くなど受け入れられなかった時代。はじめは男性のようなペンネームで出版した。


小高い丘の街の直ぐ向こうは広大な放牧地がひろがる。
羊たちがのんびりと寒さの中うずくまっている。
エバー・グリーンといわれる。冬でも青々とした草原。どういう種なのだろう。


<湖水地方>

 ハワースからさらにひたすら北上すること106km。バスで2時間30分。

ボウネス・オン・ウィンダミア

ウィンダミア湖
 遊覧船で観光

湖水地方に着くと、晴天!
ラッキー!!!
イギリスの天候は、1日に四季があるといわれる。
雨が降ったり、曇ったり、晴れたりと忙しい。


ビァトリクス・ホターの伝記映画を撮ったハリウッドスターたちが泊まった、と自慢の湖畔のレストランからウィンダミア湖を臨む。
ウィンダミア湖は当地最大の湖。

湖水地方は、氷河によって削られた谷や湖が多数あり、屈指の景勝地。
産業革命で鉄道を引いたり工場建設が説かれたが、ビアトリクス・ポターらの土地の寄付により成り立つナショナル・トラストによりそれらを阻止、100年前と変らぬ景観を保っている。
現在の環境保護の先駆である。


それでも、湖畔では、ラウンド・テーブルとして鐘を鳴らして寄付してくださいと募っている。

ビアトリクス・ポターが好んだ自然の鳥たちがたくさんいます。
1ヶ月前はこの湖、大洪水で水浸しだったらしい。
今でも、船着き場は1カ所が開かれているだけ。

 この風光明媚な地に、NATOの基地でもあるのか、時たま戦闘機が一瞬低空で飛行していく。びっくり!!
 ピーター君もびっくりで、穴に逃げ込むことでしょうよ。

日暮れが早い。
40分のクルージングもあっという間。
さらに北の船着き場、グラスミアに到着。

ダヴ・コテージ(ワーズワースが多くの詩作をした家)と、
ワーズワース博物館


石垣、石の造りが殆ど。


詩人ワーズワースの家。ダヴ・コテージ(鳩の家)と呼ばれている。
17世紀の石造りの小さな建物。
その昔"鳩とオリーブの枝"亭という宿屋だったからか。
鳩とオリーブの枝とは、ノアの箱船に因んだ名ですね。こんな田舎で。西洋にはキリスト教は染み込んでいるのですね。
ワーズワースがはじめて自前の家として借りた貧相な建物。
1階は土間、2階の一室は寒さを凌ぐために壁一面に新聞紙を貼っていた。
「暮らしは低く、思いは高し」との彼の信条が伺える。


ワーズワース博物館。
不勉強の私は、ワーズワースの詩は『水仙』しか知りません。それもおぼろげにしか…。
ここで、ビアトリクス・ポター著の手のひらサイズの『ピーター・ラビット』を購入!
ビアトリクスは、子供の手に持ちやすいようにと、手のひらサイズで出版した。

もうとっぷりと暗くなりました。
とは言え、まだ5時のはずですが。
街灯も殆どなく、静かで寂しい限りです。

マンチェスターに戻ります。

マンチェスターのホテルでのこと。
帰着して運良く直ぐにエレベーターに乗れた。すると3人連れの陽気な大きい若き白人も乗り込んできた。さらに日本人が乗ろうとしたが、日本人は遠慮してか乗らなかった。それを見ていて、彼らが陽気にぎゅうぎゅう押す振りをして、「日本の電車のようだ」と楽しそう。
私がいるのは気がつかなかったよう。で「日本の電車を知っているの」と聞くと、喜んでまた押す振りをする。
どこから来たのと聞くと、「デンマークからだ。サッカーを観戦!」と実に嬉しそう。
そういえば、マンチェスター・ユナイテッドとかいうチームがありましたっけ。
フーリガンか! 日本にもそれできたことがあるのかな。
同じフロアで降りた。で「どこから来たの」と聞かれた。「当然日本でしょ」と私。
日本人はまたまだ知名度が低い。大体チャイニーズと思われていますね。


マンチェスター泊。

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