エネルギー・フォーラム社刊「イーピーレポート」視点欄に連載している最近のエッセイ

「愛・地球博」閉幕”(2005年10月11日)

    愛知万博が大盛況の下、無事に終了した。

入場者数は予想をはるかに上回り、 2205 万人。 大方が日本人だったろう。お祭り大好き人間の多いことが、また実証された

 それと、何処へ行っても殺伐とした今日の世の中、 、とか、 地球に優しい とかの大義名分の下、思う存分自分のこころを癒されたいという、国民の欲求を吸収できたのではなかろうか。

 筆者は とか ”love” という言葉にこだわりがある。以前に、科学技術庁資源調査会で生活資源小委員会の委員長を務めた折、生活資源の過不足を調査した。そこで、ものやひと、そしてそれらの関係を大切にするこころとして「敬愛資源」という項目を設け調査した。

 案の定、食糧資源などは抜いて、一番不足しているものとしてそれが挙げられ、また一番必要としているものとしてもそれが挙がってきたのだった。

 科技庁のみならず役所の報告書に という言葉が使われたのは初めてで、大いに関心を寄せられた。

 この考えが支えになって、筆者は亡母の介護記録を『これから始まるのは LOVE STORY 』と題して出版したものだ。

 6 ヶ月間の会期中、世の中はさまざまなことが続いた。依然と多発する国際テロ事件、 JR 福知山線脱線事故、ロンドン同時多発テロ、アスベスト被害の発覚、そして頻発する大きな地震、豪雨、大型台風の直撃、米国の史上最悪のハリケーン被害、インドのサイクロン被害などなど。人災、天災が繰り返されている。

 折角の「愛・地球博」。大勢が行って終りでは惜しい。ひと、環境、地球への愛に参加し、それが形として残り、育てられて、成功したと言えるだろう。閉会式で小泉首相も指摘したらしいが、これを機に、ノーベル平和賞受賞者のケニア環境・天然資源・野生動物省副大臣ワンガリ・マータイ女史が先に提唱してくれた「モッタイナイ運動」を、日本発の国際キャンペーンにできないものだろうか。

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