エネルギー・フォーラム社刊「イーピーレポート」視点欄に連載している最近のエッセイ

ラジオ体操・みんなの体操”(2004年03月11日)

 子供まで成人病に罹ってしまう今日、健康への関心がたかまっている。

 運動不足解消にはゴルフをしたらよいか専門家にたずねたら、それよりもラジオ体操を毎日しっかりとやったほうが効果的といわれた。ラジオ体操なら昔取った杵柄で、第一と第二と体が覚えていて自然に動く。やってみてかなりの運動になることに改めて驚いた。うっすらと汗をかき、はぁはぁと息が弾む。

 子供の頃の夏休みは、町内会の朝早くのラジオ体操に参加して、判子を押してもらうのが、なんだか社会参加を認められているようで、最大のイベントだったことを思い出す。

 ところが何故か、国民の体力つくりが考え出された東京オリンピックの後の頃から、小学校で徒手体操を外した。体育の時間での徒手体操、つまりラジオ体操がなくなったのだ。そして、そのころから、子供の体が硬くなりはじめたといわれる。

 体力測定で、背中の伸縮運動の測定をすると前につんのめって転んでしまう。怪我をしてはたいへんと、座って前にどれだけ伸びるかの測定に代わったそうである。

 現在の体育の時間のウォーミングアップは、跳び箱ならそれにあったストレッチ体操だそうだ。スポーツジムですら、ストレッチの前に必ずウォーミングアップを15分くらいはさせられるのだが。

 今日では高齢化に伴って、座って誰でも出来る「みんなの体操」が新しく考案されている。ラジオ体操とこの新しいみんなの体操は、国民の健康を願った国営の簡易生命保険の考え方の一環として、前郵政省、現総務省の簡易保険関連事業として推進されてきた。現在は(財)簡易保険加入者協会が中心になって普及に携わっている。

 今日、健康都市宣言をおこなうところが多い。そういう市や町では保健衛生部や教育委員会などと連携で、ウォーキング運動などのウォーミングアップにラジオ体操・みんなの体操を実施している。海外での実施も多く、ジンバヴエやカンボジア、ブラジルから報告が届いている。

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