『スクールボーイ閣下 上』

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読書日記

2021年05月26日

『スクールボーイ閣下 上』 ジョン・ル・カレ ハヤカワ文庫 1200円+税

目まいも小康状態におちついてきて、やはり読みたくなった。

ジョン・ル・カレのスパイ小説。前回読破した『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』の続編でスマイリー三部作といわれる中盤。読破したというのは、内容が濃密で長編で一言一言に意味があって、読み飛ばしてしまうとさっぱり繋がらないので、最初からじっくりと読み返したからだ。
『スクールボーイ閣下』は当然またスマイリーが主役。サーカスのトップになったスマイリーが、宿敵カーラ(ソ連スパイの頭)を今度は香港から追い詰めようとする。アジアを舞台に、香港、上海、ビェンチェン、ジャングルの寒村などなど、太平洋戦争の悲惨な中国から毛沢東の大革命などを経て、イギリスの統治など、そして底に暗躍する麻薬などの密輸組織、主導権を握ろうとする英国情報部(サーカス)、ソ連情報機関、アメリカ情報機関が絡んで、壮大なスパイ活動が展開する。残虐な日本軍が出てきたりもする。
今回もじっくりと読んだ。私が初めて香港に行った頃の、まだ混とんとした匂いの残っていた時代の場所なども出てきて、奥深く愉しんだ。ただ今『下』を読み始めた。

 

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