「フィガロの結婚」

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スローライフ日誌

2013年01月20日

待ちに待った、モーツアルト作曲オペラ「フィガロの結婚」を観た。
プラハ国立劇場の出演。オーチャードホールにて。
プラハ国立劇場といえば、モーツアルトが自身の指揮で「ドン・ジョバンニ」を世界初演した名門劇場だ。

「フィガロの結婚」は、フランス革命の導火線と言われる。もともとのボーマルシェ作戯曲「フィガロの結婚」は、庶民には人気で、ルイ16世と王妃マリーアントワネットにも御前朗読会でコメディー・フランセーズが読んだところ、当時の貴族社会体制を批判するもので大反感を抱かれてしまった。そして上演中止。が、8年後の1789年正にフランス革命は起きるのである。
ウィーンのヨーゼフ2世は「フィガロの結婚」に関心があるが、ルイ16世が禁止しているものをウィーンでそのまま上演することは控え、オペラに書き換えて上演した。これがダ・ポンテ作モーツアルト作曲のオペラ「フィガロの結婚」となった。体制批判の部分は削り、フィガロとスザンナ、伯爵と伯爵夫人などの恋の駆け引きとした。
ボーマルシェは「セビリアの理髪師」を書いて当て、続編として「フィガロの結婚」を書いた。だから、オペラでも、「セビリアの理髪師」の筋書きを知っていないと、「フィガロの結婚」も深く理解出来ない。
当時絶大な権力を持っていた領主貴族は、処女権たるものも当然としてあった。つまり結婚税のような形で処女権を行使する。オペラ「フィガロの結婚」は、体制批判のここだけに絞って、モーツアルトの独特の美しい旋律で、恋の駆け引きを優しい幸せの魔法を奏でているのである。

SS席脇2階が取れた。
前に遮る物が何もなし。最高。オケ・ピもよく見える。
休憩時間にお隣の方が話しかけてきた。「こんなのお好きですか」
「ええ、大好きです」
「私たち(ご夫婦)はプラハ国立劇場にいきましたが、余り好きでないの。筋が分かりづらいし」
彼らは幕が降りるとカーテンコールを待たずに去って行った。
勿体ないな。何事も予習しておかないとわからないでしょう。プラハ国立劇場まで行っても、きっとぐっすりねていたのかも、ね。 

私は前日DVDで予習。これが長い、「フィガロの結婚」は上映時間およそ3時間強だ。ちょっと目を離すと筋がどんどん展開していくのでその一言の意味が解せなくなってしまうから、釘付け。
スローライフだから出来ることで、感謝。

 

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