悦子の談話室

デジタル化

     
 

いつもの駅前のクリーニング屋さんに行ったら、おかみさんが奥から出てきて、メニエル病になっちゃった! と、青い顔色をしている。いつもは店のカウンターに元気にいる。
問わず語りに話し出した。3度目だそうだ。お嫁に来た時と、米屋さんなのだがクリーニング屋も始めた時と、今回。
余程の転換期なのだ。そう、今まで伝票を書いてお喋りして、客とクリーニング屋との中継ぎをしていたわけだが、デジタル化されてしまった。最大手であろうクリーニング屋からタブレット端末やバーコードの読み取り機を渡されて、今までの会員カードは無効にして、新たに会員情報を入力しなければならないのだと。彼女はいまだにガラ系携帯すら持っていないというのに。
私の氏名、電話番号を新しく入力しなければならない段になって、早速間違った。そして、元へ戻る事も出来ない。変なところを押したのだろう。よくある事。私はみせてもらったが、解るはずもない。
解らなくなったらお店の人に直ぐ電話して何回も来てもらったら! と私。私だったらもう辞めると言っちゃうわ。
メニエール病にも罹ろうて。かわいそうに、大切な生業なのだから辞めるわけにもいくまいし、そうしたら客が困るし。
正に身近な目の前の小さなビジネスの場も変わろうとしている

(18.09.20)

 
     

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