おしゃべり・トーク

文学で語る難民問題

         
   

催しいろいろ

「世界難民の日」トークイベント "文学で語る難民問題"
主催 [難民を助ける会]
日時 2017年06月03日(土)
会場 都市センターホテル

パネリスト 小野正嗣(芥川賞作家)
      長有紀枝(難民を助ける会理事長)


1日にブルガリア・ルーマニアの旅から帰ってきたばかりだ。その国々はバルカン諸国。言ってみれば古代ギリシャローマの時代から宗教的民族的戦いにより移民難民で成立してきたといっても過言ではあるまい。複雑な民族の歴史を学んだ旅だった。
アメリカやカナダ、オーストリアなどは移民・難民で出来上がっているはずだ。ニーヨークなど「人種の坩堝」と言われた。
ナイーブな日本人にはなかなか理解できないところ。
私も難民を助ける会の会員だ。いい機会に話が聞けた。
会場には、パネリストが若き芥川賞作家や二人とも立教大学教授のためか、大変若い層の参加者でいっぱいで、こうしたテーマに若者が関心を寄せてくれるのをたいへんうれしく感じた。

特に今日ジャーナリズムは忽ち数値や表で事態を世界に瞬時に客観的に伝えるのと異なり、文学は難民一人ひとりの顔を見せることができ、人間としてのバックグラウンドを描ける。文学とは、他者を受け入れる場を提供し、思考さらには想像力をつくる、と。流石にいい指摘だ。
彼の作品は読んでないが、興味を引かれた。読んでみよう。
ホモサピエンスは地球の太古から移動するものとの指摘もうなずける。

世界難民の数は現在およそ6500万人人のこころは大きなスペースをもっているのに、自分で境をつくってしまい偏見を生んでいる。日本の難民受け入れ法は、120%難民であることを証明できる人のみ受け入れる。そもそも難民は自分を証明していることをすべて否定し捨ててきた人が本物の難民なのだが…。自分が誰であるかすぐにわかれば送り返されてしまうものなのだが…。長理事長の話もいい。

両人共に他者・異なった人・救いを求めている人々への暖かく優しい心配りが伺える。

難民・移民を受け入れる受け入れないの問題は難しかろう。
ブルガリア・ルーマニアも含めて、ヨーロッパに出かければ、必ずロマ(ジプシーの民)の問題に触れるものだ。難民・移民問題は太古からある事実である。

(17.06.05)

   
         
 

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