エネルギー・フォーラム社刊「イーピーレポート」視点欄に連載している最近のエッセイ

新たに標準使用年数の表示へ”(2007年10月11日)

 この夏、古い扇風機のコンデンサーなど劣化による事故が相次いだ。いずれも古い扇風機を長年使用していての部品劣化による事故である。

 メーカー側がテレビなどで該当する時期の危険に関する呼びかけをしていた。
  そういえば筆者の場合も「もったいない」精神で、使えるものは出来るだけ長い期間使いこなしている。扇風機もガス湯沸かし器も20年30年物である。車も20年物。
  車は点検や車検を受けて安全チェックができるが、扇風機までは思いが至らなかった。

 事故が起きた場合、PL法では10年までの古い製品にしかメーカー側の責任は問えない。
  つまりは最低限10年は安全に動くことを一つの目安にして製品は設計されているということ。
  この10年という目安がどこから算出されているのか、消費者にもっと分かり易く伝えて欲しい。

 経済産業省ではこれらの事故を踏まえてメーカーや輸入業者に経年劣化による危険性の警告を義務ける検討をはじめているという。さらに扇風機、エアコン、換気扇、洗濯機、洗濯乾燥機、ブラウン管テレビについて、今後出荷する全ての製品に、製造年月日に加えて「標準使用年数」とそれを超えた場合の「経年劣化リスク」を商品に表示することを業者に求めている。

 環境保全への意識がたかまっている折から、ものを大切に長く使うという精神は省資源省エネルギー上欠くことのできないことである。
  10年で使い捨てるというのでは「耐久消費財」の持つ意味を益々あいまいにさせる。
  使い捨てるのでなく、劣化した部分の取替え、部品の交換がもっとし易くなる工夫・制度が大切なのではなかろうか。

 家の中は物でいっぱい。そこで2年着ない服は捨てるのが整理整頓のコツと推奨している記事があったが、いかがなものか。筆者など10年物の服をサイズ直しして着ている。スーパーに行けば買い物客でごった返している。
  新たな多消費型社会の復活が見えて仕方無い。

 

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