エネルギー・フォーラム社刊「イーピーレポート」視点欄に連載している最近のエッセイ

気仙沼エコくらぶ”(2003年6月10日)

 気仙沼商工会議所会頭が会長を務める気仙沼地区エネルギー懇談会は、「気仙沼エコくらぶ」を発足させ、市民に環境保全の意識を高めてもらう取り組みをはじめた。

 発案者の一人で、同懇談会理事の東北電力気仙沼営業所長の説明によれば、エコポイント実行委員会を設置し、そこが認定したエコ活動の主催者に、のぼりやはっぴ、ポイントカードを配布し、市民が植樹、清掃、環境研修会、後援会などそのエコ活動に参加するとスタンプが押される。ポイント数に従ってクリーン賞、グリーン賞、エコロジー賞、ゴールドカードなどを獲得できる。功労表彰するとともに、このポイントを「地域通貨」として、宿泊や商品の割引特典などに繋げてゆく考えである。

 過日の筆者の「環境問題について考えよう」という記念講演が、第一回のスタンプ対象エコ活動だった。会場にはエコくらぶののぼりが立ち、商工会議所会員はもとより、多くの主婦も熱心に参加していた。

 週末に行われた気仙沼市の花、ヤマツツジの植栽活動はスタンプ・エコ活動の第二回目。およそ350人の市民が集まったと聞いた。もともと気仙沼の小高い山々には、ヤマツツジが自然に群生していて、ある山は道すがら、そして頂上一面が見晴るかす真っ赤に満開であった。今の季節は海から山が燃えているように見えるらしい。

 気仙沼はリアス式の天然の良港でもあり、海の幸も豊富だ。こうした恵まれた風土、食材に囲まれた市民は、環境保全の意識は自然に身についているのかも知れない。

「スローフード都市宣言」もしている。今年の秋には、スローフード運動発祥の地、イタリアのブラに行って交流会をもつ予定もあると聞いた。

 久々に、言葉だけでない、実際に環境に優しい活動に取り組んでいる街のこころに触れて、こちらまで豊かな気持ちになれた。

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