『レンブラントをとり返せ』

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読書日記

2021年01月06日

『レンブラントをとり返せ』 ジェフリー・アーチャー 新潮文庫 950円+税 

久し振りのジェフリー・アーチャーだ。40年振りの再会といったところか。彼の一連の作品は殆ど読んだ。オックスフォード大学を卒業、29歳で下院議員に、が詐欺にあい全財産をなくし、下院も辞職。その詐欺事件の経験を書いた『百万ドルをとり返せ!』がデビュー作でそれがミリオンセラーに。以降の作品も軒並みベイトセラーになった。
サッチャー首相の広報担当にも就任した。現在も執筆活動中。そんな彼も既に80歳なのだそうだ。 そして、本作品が最新作。これをシリーズ物にするらしい。
久々の彼の筆運びに触れた。そう彼は心理戦を掘り下げるとか歴史や風物を詩的に書き込むというよりは、ストリーテラーだ。筋を追いかけていく。この『レンブラントをとり返せ』も若き巡査がレンブラントの名画を贋作と見破り、ロンドンの美術館や法廷、詐欺師を追ってイタリアに飛んだりするストーリーを展開する。だから、英国流の渋い深みのある探偵ものよりは、米国風の軽い娯楽作品となっている。結末も緩い。
ともあれ、コロナで閉塞感に苛まれ、ジグゾーパズルに囚われる思惑からの気分転換にはうってつけだった。

 

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