『ナイルに死す』

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読書日記

2011年03月04日

『ナイルに死す』 アガサ・クリスティー ハヤカワ文庫 880円+税

私の卒論は、「英国帝国主義におけるエジプト統治」なるものだった。
贔屓にしているエジプトの情勢が気になり、どうしてあげる事も出来ず、早い復興を祈るばかり。
もう一度是非行ってみたいと思っていた矢先のクーデター。
そんな中、『ナイルに死す』を読み直した。 

古きよき時代のエジプト。と言えるのは旅行者の勝手な旅情に浸っての話し。現地の貧困に苦しんでいる人々は別の話しだろう。

ご存じアガサ・クリスティーの作。
名探偵ポアロがナイル川クルーズで同船し遭遇した殺人事件を解決していく長編である。
アガサは旅行好き。2番目の夫君と中東発掘作業にも付いていったりで、現地事情には詳しいはずだが、作品を量産していて気軽に読ませる軽い作風が身上。
本著も、寺院などの史跡見学はさらりと、当時すでにあった民族独立の動きも取り入れ、ヌビア人も出てきて、その辺りに注意して読むと面白い。
たかがアガサ・クリスティー、されどアガサ・クリスティーだ。

 

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