『最後の音楽』

トップ > 日記

読書日記

2011年01月20日

『最後の音楽』 イアン・ランキン著 早川書房

リーバス警部が60歳で定年退職!
エジンバラの警察署で、裏社会と表社会を暴いてきたリーバス警部。軍隊上がりで一匹狼。
退職の日の一週間前に事件が起きる。
長年の宿敵マフィアが絡み、スコットランドの政界や財界が暗躍しているらしい事件だ。
一の部下シボーン部長刑事に未解決事件の捜査を手引きしている最中。
一週間で解決できるか。そして停職処分も受けてしまう!
退職の悲哀がリーバスなりの視線で描かれる。

ロシア人詩人が闇の中で撲殺されているのが発見される。
これが発端。

ずっと以前に、実際、ロンドンでロシアの政治家がウランだか何だか飲まされて瀕死の状態になった事件があった。
それに作者は着想したのか、それらしき事柄にも触れている。

そして、作者はエジンバラを隈無く描き出している。観光地よりも裏町を…。
リーバス・シリーズでは『血に問えば』等幾多あるが、これらを読んで、スコットランド特にエジンバラに行きたくなったものだ。
まだ実現していない。その内に…。

作者はまだ若い。1960年生まれ。組織の定年退職の理など実感としては知らないだろうが、そこは小説家。まあ上手く書き込んでいる。
どうして自身より速くリーバスを60歳にしてしまったのか…。

(11.01.20) 

[前の日へのリンク]← 
→[11.01.24「健康太極拳」]

NewChibaProject