『デイン家の呪い』

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読書日記

2011年08月07日

『デイン家の呪い』 ダシール・ハメット ハヤカワ文庫 800円+税

本屋に出かけて、新訳版として出ていたので買った。50数年振りの新訳。
デイン家生まれの人々の呪われた、と見なされた怪事件を、ゴシック・ロマン風に書かいた、コンチネンタル・オプのシリーズもの長編。
サンフランシスコ郊外の架空の町などで繰り広がる惨殺連続怪事件。ケイン家血筋の人々、小説家、元俳優、などなどが登場。
コンチネンタル・オプとは、コンチネンタル探偵社サンフランシスコ支社に勤める捜査員の一人で名前はない。
著者の『コンチネンタル・オプの事件簿』もある。

著者ダシール・ハメット(1894〜1961)は、言わずと知れたハードボイルド派の始祖。
ピンカートン探偵社に6年間勤めたが体調を崩し、以降療養生活を続けながら小説を書く。
『マルタの鷹』『ガラスの鍵』『影なき男』などがある。
自身のことは殆ど語らなかった。
連れ添った人生のパートナーはリリアン・ヘルマン。彼女も作家。『噂の二人』、『ジュリア』、『眠れない時代』、『未完の女』など多数ある。
二人とも第二次世界大戦後のマッカーシリズム(赤狩り旋風)に巻き込まれる。
二人とも実にいい男、女である。

 

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