『腰ぬけ連盟』

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読書日記

2014年11月05日

『腰ぬけ連盟』 レックス・スタウト ハヤカワ文庫 800円+税

古き良き時代だか混沌とした時代だか、そのニューヨークに住むグルメ探偵ネロ・ウルフものの第2作目である。
ユーモアたっぷりに、でもFBIも一目置く名探偵ネロ・ウルフなのだから、これは本物で面白い。
蘭とビールと美食を好み、仕事と外出が大嫌い。女性は大の苦手
赤色砂岩のビルディング上階には蘭の温室をつくり、蘭専用の園芸家を住み込みで雇い、美食用名コックも住み込みでいる。仕事は敏腕助手のアーチーがこれも住み込み。
巨大な仕事室に巨大な椅子。何しろ大太っちょなのである。殆どの仕事をアーチーとさらにまたその助手に指示し、自らは電話をかけ階の上り下りは専用のエレベーターを使う。午前と午後の2時間づつ、取り次ぎ無用で蘭と共に過ごす。

これ程の快楽主義的生活を維持するために、収入の工面も面白い。
『腰ぬけ連盟』では、個人からの依頼は断り十数名の連盟からの依頼として加盟者それぞれから分相応の報酬をもらうことにした。
ハーバート大学卒業生の連盟。入学時ある新入生を度胸試しのつもりで虐めびっこにしてしまった。彼らは贖罪のつもりで後々彼の面倒をみた。が、彼らのうちの何人かが変死してそれが彼の仕返しではないかと、皆が次は自分の番だと恐れおののくようになった…。
この連盟のメンバーから恐怖心を取り除いてやるという仕事だ。

面白く読んだ。1935年に初出版されている。今読んでも古さを少しも感じない。いいものは時代を超えて楽しませてくれる。
レックス・スタウトは幾作品か昔読んでいる。ネロ・ウルフものも何冊が読んでいて、『料理長が多すぎる』など読み応えがある。
また読み直そう。
 

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