『人間が生きているってこういうことかしら?』

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読書日記

2022年3月17日

『人間が生きているってこういうことかしら?』 中村桂子 内藤いづみ ポプラ社 1500円+税

貴重ないのちを巡る、生命誌研究者の中村さんとホスピス医の伊藤さんとの中村さん宅のほぼ自然な感じの蝶が飛んできたりする庭での対話である。
二人ともいろいろなことに疑問を感じ、手作りで自分の仕事を開拓している。すでにその道の大御所でありながらいつも変わらぬ優しい眼差しと実行力をもち、柔らかな生き方が伝わってくる。
中村さんは40年程前に私の勤務先に訪ねてこられたことがあり、そのころから物腰が柔らかだった。日本に伊藤さんのような訪問介護を続ける在宅ホスピスケアがあるとは有難いことで甲府市が羨ましくなる。
38億年をかけて営まれてきた地球のいのちのつながり、その中で生きものの一員として人間は今どこにいるのか、一人一人の中にあるいのちの力を信じてどういきてゆくか、死とどう向き合うか。
悠久に引き継がれていくいのちの世界を想像し、小さな自分に閉じこもってしまいがちなこころ持ちが大きく開けて明るくなってくるのを感じた。

 

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