おしゃべり・トーク

退職日記

         
   

2004年04月04日

 元々半分はフリーの感覚で仕事をしていたので、まだこと改めて退職して変化したということはない。それ程時間が経っていないからなのかも知れないが。

 「これからどうするのですか」、とよく聞かれる。

 「折角ですから、イタリアで学んできたスローライフを実践するつもりです」と応えると、たいていの人が、「羨ましい!」と嘆息する。

 不思議なことに、結構若い層にその反応が多いのに、こちらが驚いている。若い人たちは、すでに豊かさとか自由とかゆとりとかいったものを、多分自己中心ではあろうが身に付けていて、組織に縛られるという感覚はなくなっているのではなかろうか。

 それなりに人生に成功を収めて、真のゆとりの域に達している年配の方々は、「まだ若いのに」といいつつ、労いのことばをかけてくれて、ご自分たちのグループに取り込んでくれようとする。

 「もったいない、まだまだ頑張らなければ」と、叱咤激励のエールをくれるのは、60歳代の、戦後の混乱の中で学び、滅私奉公で高度成長社会を身をもって作り上げたひとびとである。

 わたしは、スローライフを選びたい。スローとは、だらだらと怠惰にということではない。「スローという言葉を、豊かという言葉に置き換えて考えています」と、わたしの思いに賛成してくれた人がいた。真のスローな社会を実現するために、やはり仕事は続けていく。そんな社会にいま少しづつ向かっていると思う。

 そこで、「こころをスローにすること実行委員会」をスタートさせることにした。スローライフに関心のあるひとが集まって、何かこころがけていることをおしゃべりしようという集いである。ところが笑ってしまうことは、そういうみんなは大忙しで、なかなか都合が合わないことである。ま、数人集まって、焦らずに、優雅に参ります。

「わたしは忙しくはないです。」と、多分最高に忙しいある人が話してくれた。「忙しいと心を亡くしてしまいますから。」 なるほど、言いえて妙である。

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