闘病記6

千葉ウィメンズ・フォーラム

[こころをスローにすること実行委員会]

メンバーのお一人から寄せられた闘病記シリーズです。
9月4日に纏めて送られてきましたが、幾編かに分けて連載します。

股関節を人工股関節に入れ替えるの記ー6

 

7月9日

痛み止めの座薬の注入時に気がつくと 大きめのチューブから押しだしている。びっくり。

体ふき  今日の看護士は あつあつの紙タオルを山ほど持参 力を入れてしっかり拭いてくれる。  
家族が拭いてくれるのと同様にさっぱり

洗髪  ストレッチャー上では同様だが洗ってくれる手に力が入ってしっかり洗ってもらえた

タオル  前回は患者が準備 タオルのサイズ等に注文があってわざわざ家族に持参してもらったが今回は病院備品のタオル使用。 企業でよく備品節約の号令が出るが病院もきっと同じかも

リハビリ  昨日できなかったことが 今日は無理せず クリア
 
手術前に痛い痛いと思いながらも 一人暮らしということもあって体を動かしていたのが良かったらしく 進歩が早い と褒めてもらう。 
担当の療法士は一生けん命施術してくれるのと一つできるたびに褒めてくれる。照れくさく思いながらも嬉しくってつい頑張ってみる。 
車いすを卒業  歩行器で歩く許可 これで行動範囲は大幅に拡大される

お寿司の差し入れ  毎日来てくれる家族はいつも新鮮なサラダ持参 これが一番嬉しい

7月10日

歩行器で病院の廊下を500m歩く 
ちょうど主治医が見ていて 体がまっすぐで歩けていると褒められる。最初からまっすぐ歩けるのは珍しいとのこと。このあとから 主治医の褒め褒め作戦開始
会うたびに何かと褒めてくれる。元気が出る。
嬉しくって ついついお手洗いに。出かけるとそのたんびに主治医に見つかって歩きすぎないよう注意。

リハビリ前の痛み止めをやめてみたが 問題なくリハビリは受けられた。
ただ 終了後30分するとあちこち痛くなってくる。たぶん 筋肉痛 持参の湿布を貼って様子を見る

持参した パソコンで とりあえずハードに保存した文書や 項目別に保存しているフラッシュメモリーの整理をはじめる。
ベッドに腰かけて2時間も継続すると左足がむくんでくる。
手術時に使った緊迫ストッキングを履く。完全に元に戻るまでは血行が良くないのでどうしてもむくみやすいとのこと。

回復が早いと言って 夕方の回診に学生を連れてくる 
この病院は教育訓練病院ではないのだが 主治医は元の病院の準教授も務めるのでその学生 
このあと何回か見学に見える。私にとってはよい話相手

7月11日

この病院の周囲は芝公園や寺社なのでまだそう高層建築はなく私の病室7階からは周囲がかなり見渡せる。
病室の窓のすぐ下は三田高校のグランド。その先は慶応義塾大学三田校舎・イタリア大使館・三井倶楽部 (この周辺はほとんど元武家屋敷跡 まだ庭園の一部の緑が残っている)
そして 日本の華僑の元締め?の経営する中華料理店 華都飯店 ここは専門学校時代の中華料理の先生がその一族の方だったのでわが母校の卒業生のたまり場。
反対側の窓の外は真近に 東京タワー 20:00過ぎると今は ブルーの涼しげなイルミネーションに変わる。
左側の脇窓からは 東京湾そのものこそ見えないが朝日が昇るのが見られ、右側の脇窓の下は この病院の付属乳児院で港区を象徴するいろんな肌の色の子供たちが昼間暖かくなると大きなビニールプールで声をあげて楽しそうに遊ぶ。

窓枠につかまって屈伸運動をしながら子供たちを眺めているとリハビリのノルマはあっという間に終わってしまう。
窓下の三田高校のグランドでは10人前後の男子学生が蛮声を張り上げて応援練習 賑やか 高校野球東東京大会に出場予定とのこと。

土曜日は リハビリが午前中なので 午後はゆっくり周囲を眺める。
歩行器になったのでできたこと。  

家族が パックのお豆腐と大きめのシールパックにたっぷりの細かく刻んだ薬味を持ってきてくれる。
今回の入院のお見舞いのハイライト 最高でした。

7月12日

元気になって 初めての日曜日なので 皆がお見舞いに来てくれる。家族以外はお見舞いをお断りしたのですが 家族が多いのでちょっとくたびれる。何しろ 我が家は私以外は皆 大男 大女なので他の方にもうっとうしい。妹たち以外は緊急以外は見舞い禁止。その代わり まめにメールをすることを約束する。

暑い。私のベッドは東向きの窓際なので 前が開けていて清々して良いのですが午前中はお日様かんかん。看護士に言うと この部屋は人数が多い部屋だから皆に良い様にはなりません。とのこと。たまたま 近くにいた他の看護士が ブラインド閉めましょうか?そこは日焼けするんですよね。とフォロー
この時室温を測っておかなかったこと後々後悔

7月13日 

傷口の絆創膏をはずす。傷口を縫った糸は体内に吸収されるということで抜糸はない。しばらくかゆみ

シャワーの許可  月曜日なので 本来は浴室使用は男性の日なのですが 今日の担当はベテラン看護士。男性の日は空いてる事があるので 隙をみてお知らせしますとのこと。
結局11:00から30分。さっぱり すっきり 次回までに足先の洗い方を練習

リハビリ   昨日迄仰臥状態で行っていた訓練からうつぶせ状態の訓練に移る際 足の間に大きめの枕状のクッション使用(病棟に戻って早速看護士に足に挟む四角推台をクッションにして良いか確認 主治医からOK  夜間の横向き用もクッションだけで良いことになった。うんと楽ちん)
 
足を後ろにぐっと曲げてお尻につける これを応用するとソックスがはけるようになるかも。自分が何をできるようになりたいかを伝えると次回はそれに対応した訓練をしてくれる。これは生活向上に直接つながるのでうれしい訓練法 

歩けるようになったしシャワーもひとりで入れるし 基本的なことは大概できるので 訓練は応用編ということか?
杖で歩く訓練  最初は少し右に傾いていたが10分もすると 正しい姿勢で杖によりかからないで歩ける。

三田高校は 高校野球東京大会の第一戦 赤羽商業高校に5:4で勝利 良かったこと
あまり高校の現状に詳しくない人から言うと以前は三田高校は進学校で野球大会に出るなんて思ってもみなかった事。後で聞くと高校総体では女子剣道で優勝したりバレーボウルで準優勝したり
びっくり

7月14日

リハビリ   スニーカー 一人ではける  
リハビリ開始当時リハビリに履く靴について用意したものでは 適当ではないということで しばらく履かないだろうと下駄箱の奥に突っ込んだ リーボック社製ハイカットスニーカーを引っ張り出して貰って使用(妹が私の習慣を良く知っていてしまった場所を類推してくれたので何とかなりますが 近くに身寄りのない一人暮らしの人の入院でこんな事態どうするのでしょう)
ハイカットの靴は登山靴のように足入れ部分が足首の上まであるので足が曲げられないと脱ぎ履ぎできない。リハビリの度に人の手を借りていたのですが 試したら一人でできました。赤ちゃんみたいでしょう。

外歩き  病院の外周を一回り 坂道も歩く(港区は坂道だらけ それもかなり急峻 この訓練は大切 結構大変)

7月15日
 

フラッシュメモリーカードの整理を覗いた看護士が 一昨年出かけたチベット旅行の写真の項目を見つけて 同室の皆さんが見たいということになり 写真にコメントをつけて見てもらうことに。500枚から厳選してコメント付けをする。今日一日 これにかかってしまった。至急の原稿もあるのですが
パソコンがあれば 手軽に仕事もできて (ネットがつながれば ゲームもできる)消灯後以外は退屈する暇なし。

リハビリ  午前1時間  午後2時間  
午前は自主訓練・午後は本来は1時間なのだがいろいろ質問していると2時間になってしまう。理学療法医師は患者の担当が決まっているので手すきの人が手伝ってくれる 

階段昇降   最初の一階分は 手すりと杖につかまって やっとこさ 
2階分目からは手すり必要無し 3階分を昇降 

バランス運動   ゼリー状の詰め物をした 円盤状の座布団に片足をのせてステップ運動

スクワット  40cm高さのいすを使ってスクワット 今日は立ち上がりに手を膝につかないと立てない 5分

血液検査   貧血はすっかり解消。その他も問題なし。 
主治医から 800mlも採決したのに 鉄剤を摂取しなくっても貧血状態にならなかった食事法を記録して欲しい と依頼あり。お役にたつなら   

7月16日
 

三田高校は 今日東京高校との2回戦 で敗退 残念   御苦労さま
  
暑い! 持参したタンクトップでいたら回診に来た主治医が後ずさりしてカーテンに隠れながら質問

リハビリ   階段昇降  5階分 途中で主治医に遭遇 すごいね!と言っていただく。
療法士が 私の相手は疲れます。ですって  えへん

午前中に反対側の窓際のベッドの方が退院。

医学の進歩  午後には新しい患者さんが入院 第5腰椎上り症 の疑いで今回は検査入院とのこと
実は 私も30歳の時 同じ病気で手術 この時は術後背中の形に作ったギブスベッドで4か月上を向いて寝たきりで過ごしたことがあります。
今は長くても1月で完治とのこと
何たる違い
他にも 同室の糖尿病で足先を切断した方は 一昨年 足の指先を切断した時は 傷口がつかず 3か月では治らず転院したとのこと。今回は1月ほどで退院できるそう

医療の地域格差 昨晩洗面所で今日手術という85歳の愛媛のミカン農家の方のお話を伺った。
一昨年 ミカン採取中 転んで脛を骨折。地域の大学病院で治療 昨年再手術
うまくいかないでこちらに在住の娘さんがネットで調べてこの病院を見つけて再々手術とのこと。
何がどうして何度も手術することになったのかよく理解できなかったが大した治療では無いように思うのだが

(続く)

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