『警視の予感』

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読書日記

2016年11月28日

『警視の予感』 デボラ・クロンビー 講談社文庫 819円

来月予定している英国旅行の訪問地の中に、グラストンベリーという小さな町が含まれている。
この町、小さいが、アーサー王の墓があるといい、アーサー王伝説の聖地であり、すなわちイギリス建国の聖地でもある。そして、町にある円錐型の小山グラストンベリー・トールは、古代宗教から霊的なパワーの源と考えられていた。

この町の建築家モンフォール(ダンカン警視の従弟)に起きる10世紀も前のエドモンドという修道士からのオートライティングの謎解きでストーリーは展開していく。廃墟となっている広大な修道院跡など写実的で見ているよう。
この世とあの世との壁が最も薄い場所と言われるトールの魔力が現代科学では理解できない形で描かれている。
作者はアメリカ人だが実によく研究している。
素敵なスコットランドヤードのダンカン警視とジェマ警部補が織りなすこの警視シリーズは全て読んでいるのだが、縁あってこれを読み返してみた。面白い。早く行ってみたいなー、小さな古い町グラストンベリー。 

 

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