『ジェーン・エア 』(上)

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読書日記

2019年05月18日

 『ジェーン・エア』(上) C.ブロンテ 新潮文庫 629円+税

確か初めて読む。映画やドラマでは何度も見て知っている。甥の長女(15歳)にあげようかと本棚から取り出した。面白くて自分が読んでいる。ロチェスター伯爵が醜男だとは知らなかったな。

1840年代、英国の姉妹三人が著名な作家。その次女がシャーロットで三女エミリーが『嵐が丘』、四女アンが『アグネス・グレイ』を書いている。
偏屈な牧師を父に持ち、母や他の姉妹弟は早死にをし、シャーロットも31歳で『ジェーン・エア』を出版して39歳で死ぬ。老いた父を一人残して。
英国は、産業革命で煤煙が空を覆い労働条件、健康状態などは最悪で、確か子女の平均寿命は26歳だった。庶民の貧しい暮らし。今もそうだが、英国は貴族社会なのである。産業革命前は平民は小作人で貧しかった。 女性も認められていず、作家などもいず、『ジェーン・エア』ははじめ男性名で書いた。
彼女らの住んでいたハワースというところに行ったことがある。マンチェスターの綿工場煤煙が酷くヒースばかり生い茂る荒涼たる沼地で、『嵐が丘』に表されている通りである。住まいの牧師館は小さな石造りの佇まいだった。

早死にした姉やそのほかの人々、劣悪な実際に通った女学校、そこでの友などがモデルとなって描かれている。長い対話によって思いを語る。詳細な会話が読みごたえある。
ジェーン・エアは18歳前後の設定なのだが考えがしっかりしていて実に大人である。孤児で、預けられていた伯母に虐げられ、擁護院に送られ、そこでも惨い仕置きが待っていたが、勤勉に学び教師の資格を得て新聞広告を出し、ロチェスター家の家庭教師となる。初めて自由になった。が…。

 

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