『海賊とよばれた男 上』

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読書日記

2013年02月18日

『海賊とよばれた男 上』 百田尚樹 講談社 1600円+税 

私は殆どベストセラーに興味がないし読むこともない。
ただ、この本は本屋さんの従業員が読んで感銘しての投票で、1位だか2位だかとのことを何かで知って、読んでいる。
確かに面白い。勉強になる。

出光興産創業者・出光佐三をモデルにしている。
主人公国岡鐵造は明治18年、福岡県生まれ。福岡商業から神戸高商を出て、従業員3人という小さな店に丁稚奉公に入り、商売のいろはを徹底的に学ぶ。
学生時代に当時は全く誰も相手にもしなかった石油に深く関心をもち、卒論にも将来の石油の重要性を纏めて、今日でも現・神戸大学に保管されている。
篤志家の援助で国岡商店を設立。店員は鐵造を含めて5人。鐵造25歳の時である。 明治43年
時代は富国強兵から軍国主義へとすすんでいく。燃料は石炭、木炭の時代。アメリカはすでに自動車を走らせ、石油の時代に入ろうとしている。
鐵造は、今後の石油の重要性を識り、弱小会社ながら、当時の大手で作っている石連などに排斥されながら、機械油や揮発油などを独自で精製開発し、満州、中国にその販路を求めて出る。当時の満鉄は汽車の燃料にアメリカ石油を7割以上イギリス系石油が2割以上その他は少々といったところで、なんと日本製はつかっていなかったのだ。
そして、日本は大東亜戦争、太平洋戦争に突入、アメリカや海外からの石油は断たれ、政府は国岡商店の石油に頼ることとなり、鐵造は国のために尽くすのは当然と、外地に従業員300人以上、上海の石油タンク、大型タンカーなどを政府の求めるままに無償協力していく。

そして敗戦。
鐵造の0からの再出発がはじまる。
馘首なし。定年なし。出勤簿なし。

下巻に乞うご期待。 

 

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