『終わりと始まり』

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読書日記

2015年09月15日

『終わりと始まり』 池澤夏樹 朝日文庫 700円+税

何か意味ありげな題名だと思い読んだ。
ポーランドの女性誌人ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩「終わりと始まり」の題を使ったという。
その詩は、戦争ーー 戦争が終わるたびに
             誰かが後片付けをしなければならない
             物事がひとりでに
             片づいてくれるわけではないのだから

2009年4月から2013年3月まで朝日新聞の夕刊に載せたコラムの再録である。
私は新聞は読まないから新鮮に受け止めた。
社会で起こっていることを、深く彼なりに考え分析している。
実は私も某誌に長年寄せたコラムを本にまとめて『もったいない思い』として出版している。これは私の社会年代資料としていまだにひもとくことがよくある。
彼の書いたこの間、東日本大震災が起こり、まさに終わりがあって始まりがあった。
いかに始め直していくか。たいへんに難しい世の中になった。
先日の関東地方豪雨大浸水被害から如何にまた始めていくか、またまた問い直されている。本当に難しい世の中になった。
  

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